前回の欄で、チラリっと「くるくる寿司」で見えたもの、ってのを書いたのだが、
それはこのようなものである。
くるくる寿司に入り、案内係にしたがって席に座る。
「お飲み物は? みそ汁は如何でしょうか?」と注文を受ける。で、オーダーをする。
後は、ベルト上に流れてくる皿を適当に取って頂く。
会計をする。ポイントもらう。店の外に出る。
これって、このあたりの公立中学生をとりまく勉強環境と似てるって思うんです。
席に着く。ベルトの上を「不定詞」とか「動名詞」とか「受動態」とかの皿が流れている。
「合同」とか「相似」の皿もある。「鎌倉幕府」の皿もあれば「フランス革命」の皿もある。
食べる方はバランス良く食べる。寿司を握る方は、「今日のおススメはこちら!」とか
大声を出している。「ご注文をお伺いします」とか言っている。
会計のところでポイントをもらうのは、推薦のための内申書のようなもんでは、と思った。
エッ!これはわが町の公立中学生を取りまく勉強環境とちゃうの!とフト思ってしまった。
提供されているものを食っているのである。そこに流れているもの食している。
「知」が皿に盛られて流れている。「知」のくるくる寿司を食べている。
3年間大人しく食べている。出来あいの「知」のくるくる寿司を食っている。
魚、肉、野菜、果物、時には、アイスクリーム、プリン、etcの皿が流れている。
完成品で流れている。3年間それを食べてきた。
その作り方を知らない、魚そのもの、肉そのもの、野菜そのもの、ete.がいかなるものか、
どのようにして獲られ、育てられ、手入れされているのを知ることなく3年間を
くるくる寿司のカウンターで座ってきた。
この「くるくる寿司」状況が私には分かっていなかった。
(イヤ、私の塾生だけの話ですよ。くれぐれも。)
で、I wonder if he will come here tomorrow. を和訳して下さい、と言った時に、
ある新塾生: わかりません。
私:?????? どうしてですか?
その塾生:(平然と) 単語が分からないからです。
私: それでは手元の辞書で調べてください。
その塾生: (憮然と) エッ!オレが調べるのですか!
この会話があった。
またある時は、上記の英文で和訳を問うと、
別の塾生: メンドウくせいネ!
という対話が発生するのです。
くるくる寿司の出来あいの皿だけを取ってきた。
常に出来上がったものである。
ピチピチと跳ねる魚でもなければ、血のしたたる牛でもなければ、土の付いた野菜でもない、
全て出来上がったものが笑顔で提供されてきたのだ。
これに気付いた。イヤ、くどいですが、うちの新塾生の話です。
この2年間まったく中学生に出合うことがなかった。
これがうちの新塾生たちの育った中学時代の勉強環境であろう。
何をするべきか?
それは「くるくる寿司」のカウンターから引き離すことにある、と激しく思っている。
「くるくる寿司」の店内から引きずり出して、屋外に連れ出し、畑で種から大根を手作りする、
牧場で牛を育てる、海では魚を獲る、この方法を教えていかねば、と思っているのですよ。
これは本人には辛い作業だと思いますよ。今までは常に目の前に「皿」があり、
コンビニへ行けば好きな出来あい食品があったのですから。
が、私はこのカウンターから引き離して、屋外に連れ出すことからじめていこうと思っているのです。
少し、饒舌なったようです。後日あたらめて、です。
少しだけ書いておけば、高校の環境は「ホテルのバイキング食事」と思っている、ってことです。
(オッと、くどいですが、これはうちの塾生だけの話です)
読み返しもなく、牛の涎で申し訳ないです。誤字脱字はご容赦を。
まァ〜、この欄の訪問者は5指でOK.なのが救いだ。途中だがお許しを。
近々にもう一度アップしよう。
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